The 9th day

「いいご身分で。」と彼がわらった。

無力感と罪悪感と自己満足。
私の中は多分それらで満杯だった。



「安全圏から出来る限りのことを?そんなのお笑い草だ。」
「やらない善より、やる偽善って言うだろ。」
「そうだね。でも偽善者なんて、所詮自分がよく見られたいだけだろう?」



私は昔から自分が何を考えているのかがよく解っていなかった。



誰かに優しくしても、それが本当に心からのことだったのか、
それとも自分がよく見られたかっただけだったのか。

どうだったろう。





(違う。)



否定の言葉は声にならず、
唇からはただ息が漏れるだけだった。

少女はまた泣いていた。
2011/03/26


 reset