努力もしないくせに。
と彼がわらった。
努力がどのようなものか私は知らなかった。
努力とは何だろうか。
私の“努力”は世間一般の“努力”に値しているのだろうか。
「然も頑張りましたみたいな顔をしているけど、
君の努力なんか高が知れている。
だから、裏切られるのだ。」
“裏切られる”
という言葉は何だか似つかわしくない気がした。
努力も私もきっとお互いを信用なんてしていなかったから。
どうにかして逃げようとした現在の私も
きっと今に誰かのコピーになって絶望する。
オリジナルの私なんて、何処にも存在しない。
どんなに“努力”したって、
そうして、オリジナルになれる誰かを羨んで妬んで、
何度も、
醜い私を嘲る彼を私は責められないと思った。
思いつつ、彼の頸に手をかけた。
ただ、黙って欲しかった。
彼は相変わらずわらっていた。