悪いのは君だということは明らかなのに。とんだ喜劇だ。
と、彼がわらった。
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――ごめんなさいと泣きながら、僕の首に手をかける君を、
僕はぼんやりと見ていた。
多分泣いていることにも、謝っていることにも、
君自身は気付いていないのだろう。
この狭い部屋の中で、感情を露わにするのは
いつも君以外の僕たち二人の役目だった。
君の見たくない部分を見る役目を僕に。
君が隠している涙を少女に。
そうして一日の終わりを迎える。
それが必然であって、特に疑問には思わなかった。
いつだって僕は君に首を絞められて、
今日を終えるのだ。
また朝が来る。