The 7th day

何を持って良かったと貴方は仰るのか。と彼は訊ねた。
私に問うているのかと思ったが、どうやら私の後ろに問うているようだった。
私の後ろには壁しかないのに。

「君は哀れだ。」
今度は真っ直ぐに私を見据えて、彼は顔を歪めた。

「同情されれば満足かい?」
力無く首を振ってはみたが、実のところよく解らなかった。

“普通”の幸せのハードルが高すぎる。

けれど、それは多分私の力不足で、
同情されたってきっと惨めなだけだと思った。
2011/03/02


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