The 2nd day

少女は部屋の隅で膝を抱えていた。
どうしたのかと問うても、ごめんなさいと、ただ只管に謝罪を述べる。



「何も返せなくてごめんなさい。」
「何を返したいの。」
「幸せ。」



そう一言答えたきり、少女はまた謝罪を続けるのだった。



「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいご」



私は、貴方に謝られるようなことは何一つされていない。
本来謝るべき人のところに行きなさい。
と、私が言うと、

私が謝るとあの人は悲しんでしまう。
だから、ここにいるのだ。
と、少女は泣いた。



違うでしょう。自分のためでしょう。
と、言いたくなったけれど、口には出さなかった。





彼は、


彼は少女を嗤っていた。
とても楽しそうに。



私はそれを見過ごした。





私は苛ついている。
彼にも少女にも、そして私自身にも。







死こそが救いだと彼は言う。

赦されるならば死をと少女は言う。







私は、

私は 、




そして、暗転。





気が付くと、辺り一面が真っ赤になっていた。
いつ間にか、彼と少女は消えている。

掃除を終えれば、また変わり映えのない毎日が続いていく。
私は安堵の溜め息を吐き、ベッドに横になった。














――目が覚めると、部屋の隅で少女が膝を抱えていた。
そして、それを嗤う彼。



私はまた包丁を握り締めた。
2011/02/21


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