The 13th day

ある日、起きると『顔』がなかった。
知らん振りを続けたからだと彼はくつくつとわらった。

ますます人間から離れてしまった気がして私は小さくため息を吐いた。

最初になくしたのは心臓の音だった。
次が言葉で今度は顔で、
恐らく最後は脳味噌だろうとぼんやり考えた。
その前に私は私の顔を回収しなくてはなるまい。

回収した所で欠陥だらけじゃないか、
一度でも上手く動作したことがあったのかと彼が問う。

私は答えられなかった。
2011/10/21


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