脳みそのない男のお話
【目がない男の話】
「違うんです。まだ本気を出していないだけなのです。
本気を出せばきっとまだ私だってきっときっと…きっと!!
ああああああああああああああああああああ」
【耳がない男の話】
「そうそう、それでそうなった訳なんだよ。
だから、あれがこうなってそうなって。
え、何?そうじゃない?
そうじゃなくないよ。何言ってるの?
君馬鹿なの?ああ、それでさ、」
【口がない男の話】
「……うん。へえ、ああ。
何?私の考え?
特に言うほどのことでもないよ。
へえ、はあ、ふーん。そう。」
ああ、変な人たちだな。
どうでもいいけど。
僕はそう思いながら、家路を急ぐのだった。