Long

眩暈

曖昧な記憶の中で
膝を抱えて 思い出す、のは
鳴り止まない心臓の音だ

目をつむって 開いて
またつむって そうやって
進む 時計の針を見てた

まどろんで 息を整えるのが
私の仕事みたいで 少し戸惑った夜だ
ここが消えないように 時計を隠そうなんて
少し馬鹿なことを考えた

世界が滲むくらいで ちょうど良かったの
明日には忘れなきゃいけないからさ
届かないくらいで ちょうど良かったの
目をつむれ 逃げてしまえ

カランという音に
少し驚いて 醒めた夢は
思い出しても 覚束ない
熱病によく似た感覚だ

手を握って 開いて
また握って そうやって
残る体温を 思い出してみる

目を伏せて 昨日を忘れるのがきっと
私の仕事で 少し泣いた朝だ
最後なら 内緒でキスすれば良かった、なんて
少し馬鹿なことを考えた

一生すみっこで ちょうど良かったの
誰も傷つけたくなんかなかったんだからさ
気付かれないくらいで ちょうど良かったの
さあ笑え 忘れてしまえ

「初恋は 実らない」
定説を 飛び越えて 奇跡を 祈った
私の負け で 世界は終わるの

世界が終わるくらいで ちょうど良かったの
ずっと笑ってて欲しいからさ
届かないくらいで ちょうど良かったのに
ねえ

貴方が滲むくらいで ちょうど良かったの
もう触れられないって分かってるからさ
言葉なんて出ないくらいで ちょうど良かったの
目をそらして 隠してしまえ

消してしまえ
▲ reset
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