うさぎ
うさぎに なりたかったな
君なしじゃ息が出来なければ 良かったのに
そしたら 君はあたしの傍に
居てくれるのかな
あーあ、声が出ないや
「泣いたりなんか、しないよ」
弱虫に 精一杯の強がりを
真っ赤に泣き腫らした目を
あたしは うさぎじゃない
あたしに 大きな耳を
君が名前呼ぶ声が 聴こえますように
大人に なりたかったな
君なしで 上手く笑えれば良かったのに
それでも もう少し子供のままで
傍に居たいんだ
ひとりでも 大丈夫
だって 君はあたしのものじゃない
うさぎになんてなれない
あたしは ちゃんと知ってた ああ
「泣いてない」って 泣いてしまったのなら
「もう大丈夫」って 笑え
気付かれないように
そんなんじゃ 仕方ないや
放って置けない可愛さを
あたしは うさぎじゃない
淋しいと死んじゃうほど
あたしは 弱くはない
真っ赤に泣き腫らした目を
あたしは うさぎじゃない
あたしに 大きな耳を
せめて 君が名前呼ぶ時
傍に居られますように
居られますように